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Northern Rivers Rail 廃線跡の2日目。昨日の嵐から一転、快晴。 |
路面に木々は落ちていますが、風もなく平穏な天候です。 リズモアの街を出ると、すぐに木橋 timber bridge が現れます。その後も、次から次へと。 |
あいかわらず、細かな高低はありますが、朝の内は快適サイクリング。 |
ベクスヒル Bexhill からは国道から大きく離れエルサム Eltham へ。主要道から離れた街なので、鉄道の位置付けは大きかったのでしょう。駅への愛着を感じさせます。 ヒッピー風のオヤジが飯作っていました。同世代ではと思い自分の歳を言うと「ボーイ」と言われましたが、問いただすと、3つ違いでした。「声が若いから・・」とか言い訳してました。お茶ごちそうになりました。 |
BGMは、ずっと Stand By Me でした。 |
バイロン・ベイ駅 (Byron Bay)。オーストラリアの鉄道は上下分離なので、運行会社カントリーリンクのバスステーションになっていました。 |
正面に見えるのはマウント・ワーニング。アボリジニの聖地です。 |
M1(パシフィックモーターウェイ)を走り、マランビンビー Mullumbimby へ。モーテル泊が続いていたので、創業1904年という由緒ありそうなホテルを取りました。ん~、安かったですが、エアコンでなく大きな扇風機が天井で回っていました。 |
78.56km、5h40m |
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今日から3日かけて、2004年に廃線となった標準軌、単線の "Northern Rivers Rail" に沿って走ることにします。正式線名と言う概念が無いようで、"The Casino to Murwillumbah rail line" とか "Murwillumbah Branch Line" と呼ばれていたようです。Casino(カシノ)、Murwillumbah(マーウィランバ)は地名。 |
ノーザン・リバー・レール(Northern River Rail) は、ニュー・サウス・ウェールズ州(NSW) のノース・コースト地方で最初の鉄道で、マーウィランバ駅 - バイロン・ベイ駅 (Byron Bay) - リズモア(Lismore)駅間が1894年に開業。1903年にカジノ駅まで延伸されました。 1910年には、カイオーグル(Kyogle)駅までの支線が延伸(これは、現在のブリスベン - シドニーを結ぶ幹線の一部)。1930年には、州境のクーガル・スパイラル(Cougal Spiral)が完成し、ブリスベンまでつながっています。 |
まず現役のカシノ駅。1930年、North Coast Line開通時に開設されました。 |
前方に見える右(東)への分岐が、廃止されたノーザン・リバー・レールです。 |
できるだけ、路線に沿って進むことにします。 North Coast Line開通前のカシノ駅(Old Casino駅)を目指しますが、ゴルフ場の中にあるようです。クラブハウスで尋ねると、「あっちだ」と言うので許可を得たと類推しゴルフ場を横断します。 |
金網越しに見ていると、如何にも"鉄"な人が、入り口を教えてくれます。Old Casino駅は、1910年に Casino駅として開設、North Coast Line開通後も Old Casino駅として1986年まで運営されました。 |
駅はちょっとした資料館になっており、"鉄"な人が、案内してくれました。日本のブルートレインに乗ったぜと言ってました。 |
この日は日曜日で、ゴルフ場を周囲を回るミニレールを走らせていました。進められるままに乗車。ポイントもある本格的なもので、折り返しの North Casino駅にはオーストラリアを代表する優等列車 The Ghan のミニ機動車も停車していました。 |
Old Casino駅を出て先に進みます。しばらくは路線に沿った道路がありますが、Bentley の鉄橋は有刺鉄線で近づけません。 |
次の地点は PLEASE KEEP GATE CLOSED と書いてあるので、ちゃんと閉めて入ってみましょう。 |
廃止を決めた際の議会報告書によると、「この線は、29の鉄鋼 steel橋と 169の木材 timber橋を持ち、timber橋は、NSW鉄道網の30%を占める」とあります。 |
次から次に、味のある橋梁が視界に現れます。 |
2004年まで列車が走っていたのは本当でしょうか。 |
今日は、丁寧に鉄道跡をトレースする予定なので、次の町のリズモア Lismore で宿を探すことにしましょう。ところが、町が近づいたあたりで雲行きが怪しくなり、雹を伴う激しい雷雨に見舞われました。落雷は至近弾を含め50発以上。逃げ込んだ閉まった商店の庇に雹が叩きつけ、側溝が溢れだします。 |
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1時間近く足止めされ、嵐の後の街へ。宿は2軒断られ、3件目のモーテルで、リズモアの町が停電になっていることが分かりました。断られた2軒ともクローズと言ってたのは、停電で閉めたようです。実は、英語がさっぱり判ってないことが判明しました。 気落ちしているモーテルの女主人を、夜までには復旧するだろうと励ましチェックイン。1時間ほどで復電しました。 |
45.13km、3h54m |
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Cougal Park Bed & Breakfast はブリスベンで働いていたご夫婦がリタイア後に始めた3部屋だけの小さな宿で、自家農園を持っています。B&Bですが食事をできる街までは40kmなので、夕食も作ってもらいました。 |
客は私だけだったので、色々お話を伺いました。 (私)「私が来た時、奥さんは農園で作業してたし、夕食も奥さんが作った。ご主人はいったい何してるの」 (妻)「主人は農機具を使うのよ、それにランチは主人の担当なの」 (夫)「そう、わしは毎日昼飯を作る。お前さんがいきなり来た時、わしが居なかったら困っただろ」 仲の良さそうな夫婦で、すっかり打ち解けました。 |
朝食も豪華。時差を忘れて朝食時間の遅れたためでしょうか、奥さんのピアノが目覚ましになりました。 |
遠くに列車の音が聞こえ、しばらくするとブリスベンで方面への長い貨物列車が走ってきました。ループに向かって、鉄橋を渡ってきます。 |
お庭を散策し、ゆるゆると出発。mistは朝のうちだけとのこと。 |
クリークの小さな木橋までいちいち下るので、アップダウンは続きます。 ザ・リスク The Risk と言う変わった地名で州道に合流。しばらく走ると、前日朝のボーデザート Beaudesert、以来のお店がありました。 |
カイオーグル Kyogle は小さな街ですが、1910年にカシノ Casino からの鉄道が伸長されました。1930年にクーガル・スパイラル Cougal Spiralが完成しノース・コースト線がクイーンズランド州(QLD)に伸びるまでの20年間、ここが終着駅でした。歴史のありそうなホテルや郵便局がありました。 |
カイオーグルからは、久しぶりの平坦路。カシノではモーテル。食事もスーパーマーケットに戻りました。 |
69.77km、4h43m |
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今日は前半の山場、クーガル・スパイラル Cougal Spiral です。 クイーンズランド州(QLD)とニューサウスウェールズ州(NSW)をつなぐ鉄道の南(NSW)側、ノース・コースト線のループ線を上から眺めるために、州境を越えて走ります。出発地のボーデザート Beaudesert が標高120m、州境を越えた最高地点が420m、まー軽いヒルクラでしょう。 |
山は遥か前方、長い直線。制限時速100kmです。REST OR R.I.P って、「休憩する?」それとも「永遠に休憩する?」 |
オーストラリアの洪水は、内陸部に水がたまり数ヶ月かけて移動するようで、日本とはまったく異なる様相を取ります。低地に水が溜まるのは、よく起きることなのでしょう、この標識はよく見ました。グレーチングも、ド迫力。 |
丘陵部に入ると、地形に応じたアップダウンが多くなってきます。前方の上りは18%。 |
切り通しもありますが、地形にやさしい線形で、10m上って8m下る感じが続きます。標高が上がらないまま、累積高度だけ稼いでいきます。 |
峠に向けて鉄道も標高を稼いでいきます。 |
州境への最後の上りは19%、押しっぱなしになりました。暑さも日射しも容赦なく、限界です。 |
翠波高原やガリビエ峠よりきつい。最後の200m、足が動かず無酸素高所登山のような歩みとなります。体に変調をきたしていたのかも知れません。 |
峠で大休止。少し下ると "Border Loop Lookout" の標識。Couggal Spiral でなく Border Loop と呼ばれているようです。オーストラリアでは珍しく、充実した解説板がありました。 |
地図では、こんな具合。稜線下をトンネルで抜けた後、半径240mのループを描いて下っていきます。 |
んっ、よく見えない。 灌木地帯だと思っていましたが、けっこうな木々が。まー、来たから判ったことです。 |
当初は、ここから40km下ったカイオーグル Kyogle に泊まる計画でしたが、もうリソースが残っていません。クーガル Coigal の山中にある唯一の宿を尋ねることにします。泊まれました。命がつながりました。 |
62.25km、5h38m |
水は2.25リットル持っていましたが、宿についた時の残りは0.1リットル。水切れの認識はありませんでしたが、Gusの言うとおり1時間1リットルは補給する必要があるのでしょう。おまけに、州境の時差で1時間進み、到着17:05 のつもりが 18:05。翌日走ったカイオーグルへもアップダウンは続いていたので、正にギリギリでした。 |